就業規則の有効性① 未払い残業代問題
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就業規則の有効性① 未払い残業代問題

未払い残業代対策を講じる上で,
就業規則は非常に有効なツールになります。

それはなぜでしょうか。

じつは,未払い残業代対策に関して
「これをやれば100%大丈夫」という方法論は確立されていません。

そのため,有効だと思われる様々な対応策を,
複合的に組み合わせ,リスク軽減を図っていく必要があります。


そこで,就業規則です。

就業規則は,労務管理に関する全ての事項を網羅できますし,
適正に作成運用することにより,その内容を労働契約の内容として
対象とする全従業員に,画一的に適用することが可能です。

つまり,有効だと思われる様々な未払い残業代対策を,
包括的に労働契約の内容とし,法的な強制力を持たせることが可能なのです。


未払い残業代対策を講じるうえで,
就業規則は非常に有効なツールになる,

というより,むしろ,

未払い残業代対策を講じるうえで,
就業規則はなくてはならない存在だと
私は考えています。

その理由を,未払い残業代請求に対する
経営者側の主張を例にとってご説明します。


未払い残業代請求に対する,経営者側の主張で多いのが,

【1】 「残業代込みで払っていた」
【2】 「勝手に残業していた」

などです。

これらの主張は,これらの主張を証明するための,
”書面による明確な証拠”を,経営者側が提示できない限り,
ほとんど認められません。

しかし,”書面による明確な証拠”と,いきなり言われても,
どこからどう手をつけて良いかわからないと思います。

そこで,実務上は,就業規則を適正に作成・運用し,
就業規則に基づく,適正な労務管理を行っていくことが,
現実的な対応だと思います。

これが,未払い残業代対策を講じるうえで,
就業規則はなくてはならない存在だと考える理由です。


それでは,以下,具体的に,
未払い残業代請求に対する,経営者側の主張を例にとって,
就業規則の活用例を見てましょう。

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【1】「残業代込みで払っていた」
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まず,”残業代込み”(以下「定額残業制」といいます),
この取り扱い自体は,正しく運用していれば合法です。

しかし,判例を確認してみると,

「定額残業制」が合法であると
認められるためのハードルは非常に高い,

と言えると思います。

「定額残業制」の運用には細心の注意が必要で,
口頭での労使の合意だけでは,まず認められません。

「定額残業制」が合法と認められるためには,
少なくとも,以下の対応をしておきたいところ。

・定額残業制における残業時間と残業代の内訳の明確化
・労働者との個別の同意

そして,できれば「定額残業制」をより明確にするために,
「定額残業制」を就業規則で規定化することが望ましいです


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【2】「勝手に残業をしていた」
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この主張は,
“労務管理ができていない経営者が悪い”,
と判断されかねません。

通常は認めらないと考えた方がよいでしょう。

残業の黙認は,残業の暗黙の指示があったと判断され,
残業代の対象となる可能性が大です。

また,仕事もせずにダラダラと会社に居残っていた場合でも,
会社がなんの対処もせずに,その状況を放置しておくと,
”ダラダラ居残り時間”も,全て残業代の対象になる可能性すらあります。

これは非常に危険です。

そこで,
就業規則のなかで「残業の書面による事前許可制」を
ルール化しておくことをおススメ致します。

就業規則にて「残業の書面による事前許可制」を
ルール化し,かつ,適正に運用していれば,
不当な未払い残業代を請求された際に,反論の根拠になり得ます。

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さて,いかがでしたでしょうか。

未払い残業代対策を講じる上で,
就業規則が非常に有効なツールになることを
少しでもご理解頂ければ幸いです。

未払い残業代対策でお困りの経営者様!
ぜひ就業規則の作成をご検討下さい!







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